再開発事業反対派のロジックに疑問

前回の建設公営企業常任委員会以降、考えをまとめて出た結論に納得できるか整理していました。

少なくとも今までは一定再開発事業を止めていたことに納得していましたし、言わんとすることも理解できるところがありました。が、今回はさすがに分からないです。


・事業費は高すぎるのか

 高いと言えばやはり高いです、芦屋の地価は基準地価で全国39位( /1736) ですから有数の高価格土地です。ですがそれを言い出すと芦屋で再開発なんてそもそも無理だったんだと思います。事業費が高いというならなんでそれを2年前の段階で中止させなかったのか。

今回の事業費見直しで市費負担は約100億円にまで圧縮されました。

平成30年に事業計画を決定した際も、関連事業抜きで市費負担90億円弱と見込まれていたからその時と費用自体は大差ないと思います。(関連事業含むと当時から100億円超えていたでしょう)、コストは前期に問題なく話を進めていた時点と大差ないので、事業費が高いことを理由にするなら前期のうちに否定すべきです。

 

・再開発自体を否定するものではない

↓↓公明党の令和2年3月の討論です。再開発事業費の予算を否決するときの討論ですが、再開発自体は否定しないとこれまで何度も言っており、事業費の削減を求めるために行政案を否決していました。

そうありながら再開発事業を棄却して街路事業に変更する考えに賛同するのは、考えが変わっているのではないですか。


↓↓自民党も6月議会で再開発事業費の見直し費用案が出されたときに、事業費の大幅な削減を求めるとしていました。

こう考えを示されると行政としては事業費を削減すれば認めてもらえると考えるでしょう。

他に認めない理由があるならもっとそこを持って反対すべきです。

再開発事業自体を否定するものではないとしながら再開発事業は否定されました。


・コロナだからやめるべき

これは気持ちは分かります。ただこれを理由にするならば市の財政がコロナに依る影響が小さいことが確認出来れば事業再開をすべきだと思います。

コロナの影響で再開発を見直しする自治体がいくつかあります。ただ確認している事例は事業計画決定する前の段階です、芦屋はすでに2年前にその段階を終えています。例えば同時期に計画決定した新潟県長岡市はそのまま事業を進めていますし、段階と状況によって止める、止めないは判断するべきです。一概に事業見送りのサンプルだけを抜き出すのはちょっと恣意的です。


税収減の恐れの話ですが、芦屋は市民税が大きな割合を占めています。

ゆえに個人所得に大きく影響する財政になっています。だから失業者が多いとクリティカルに影響するのではないかと懸念する議員もいます。

一例を出しますが↓の図は国の所得税収に対してどの所得層がいくら収めているかを示した図

実に年収1000万円以上が所得税収の半分を収めています。

所得者数4757.3万人に対して195万人で半分を賄っている、これは2014年のデータですが年々この格差は拡がっています。

ここから各所得者層の年収からおおよその市民税が割り出せるので人口×市民税を芦屋市の所得割合に当てはめて計算すると、芦屋は年収1000万円以上が6800世帯で市民税約100億円になります。平均値ばかりを使用して試算していますが実際は芦屋には比較にならない富裕層がいますのでもっと多い金額を収めていただいていると思います。

年収1000万を超えると雇用主or大企業務めとなるケースが多くなると思います。そうなると失業という観点では測られないと考えています。

むしろ株価はコロナショック以前より上回っており、こと芦屋において一般に言われるようなコロナショックは大きくないのではと思います。とはいえ身近に家計が大変になった、経営が厳しいという声も聴いていますので判断は難しいですね。




最初は事業費が高いということで見直しを求めていた議論がいつの間にかロータリーは不要だとか長期財政収支が不安だとか、前期もっと話し込んでいたら良かった議論がここにきて蒸し返されています。その時にちゃんと話しておけば良かったのに、というか前期からいる議員は納得してないまま事業計画決定を済ませたのかと委員会を聞いていて感じました。


反対することが悪いとは思っていません。未来のことを話している以上、確定した話はできないですから、事業費が高すぎるからすべきではないという意見も十分に理解できます。しかし今回は理解できないところが多々あったという話です。

あさうみ洋一郎 -芦屋みらい-

兵庫県芦屋市で日本維新の会の市議会議員として政治活動をしています。 ただいま31歳、7歳の娘と3歳の息子を子育てしながら活動しています!

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