一般質問 こどもの医療費の無償化について

今回は子どもの医療費の助成は本当に正しいのか?ということで質問をしました。

課題点は、小児科クリニックの混雑 です。

今年はコロナウイルスによって自粛期間もあり、クリニックは落ち着いていましたが最近は小学校や幼稚園保育園も再開したので少しずつ受診数が戻ってきています。

今週娘が風邪をひいて病院に行ったときは12人待ちでした、およそ90分くらいですね。

現在、熱が出てる子に対しては、医師も服を着替えて別室で診察するなど慎重な対応を取っているので、一人当たりの時間は去年に比べて割合長くなっている感じもあります。


子どもは長時間待つことも難しく落ち着かない子もいますし、そもそもの子ども同士のパーソナルスペースも狭く、他人なのに距離感すごく近い!ってこともあり、別の病気をもらってこないかと保護者としては心配になります。

特にコロナのこともあって他人との距離はより一層気になるところです。

それを解消するためにはどうすればいいかを質問しました。


芦屋市は平成27年に一般世帯(大体年収800万円以下)を対象に中学生までを無償化を実施しました。

兼ねてより議員からも要望もありました。

実現にむけて議論もあり、メリットとデメリットをまとめます。


メリット

・医療費を気にしなくて良いため、早期に医療にかかり重症化を防げる

・重症化する前に治療するため、結果的に医療費は抑えられる

・子育て世代の経済的支援に繋がる

ということで児童福祉の向上として良い制度だと思います。

ただしこの医療費助成がスタートするときにデメリットも指摘されていました。


デメリット

・医療費を気にしなくて良いため、はしご受診・不要な受診が増える

・薬も無料のため、過度な処方箋で子どもの免疫力が低下する

あと生活保護で問題視されたこともありますが、処方箋の転売ということもあるかもしれません(実態としては聞いていませんが……)


ということで市の決算資料を引用してデータ集計をしました。

1人当りの利用回数&利用助成額をグラフ化しています。

利用回数がややこしいのですが、H27年度以前は一回の診察料の中に県助成と市助成が含まれることがあり、それぞれをカウントしているため回数が多くなっています。(1回の診察でも2回とカウントしているケースがある) H27年度以降は一回の診察回数を純粋にカウントしており、H27年度は両方で算出していたために、そこを基準として利用回数のグラフを無理やり繋げています。

本当はグラフの在り方としておかしいのですが、見やすさ重視でご了承ください……。

グラフを見ると、制度を拡充させたH27年度以降、助成額と利用回数が大きく伸びています。

やはり制度のせいで小児科の混雑が加速したのではないかと考察しています。


当局の答弁では、混んでいる小児科と比較的空いている小児科があり、一概に問題視できないということでした。

しかしそれも難しい問題で、混んでいる小児科に皆さん集まるんですよね…。できればよく知っている先生に診てもらいたいですし、立地的に他を利用できないケースもあります。自分の近くのかかりつけ医を利用したいのに混雑しているから遠くの空いているところを利用しなければいけない、というのも子育てのしやすさからするとどうなんだろう?と思います。


混雑の解消にむけてどうすべきかをいくつか提案しました。

・制度の見直しは考えているか?

・クリニック窓口で一旦支払いをし、後日口座に返金する償還払い制度は導入可能か?

・インフルワクチン助成や運動促進など、免疫力を高めて医療にかからないサポートをすべきではないか?


制度の見直しは提案したものの、一度実施した制度を縮減方向に進めることはよっぽどの理由がないと難しいと思いますが、あくまでも一つの案として。

償還払い制度は富田林市などで導入しています。一度保護者の方には医療費を払っていただくのでサービスにかかる費用を認識してもらえるということで、過度な受診を抑制できるのではないかと考えています。ただ市職員の負担や窓口で一度決済するために保護者の煩わしさが出てきます。それを考えるとデメリットも大きいというところで難しいです。

あとはこの冬にコロナウイルスとインフルエンザが重なってやってきますので、そのあたりの対策も含め、インフルエンザワクチンの助成が行われないかなと淡い期待をしています。これもすぐには無理だと思いますが、そもそも医療にかからない健康な体を作ることこそ健全な児童福祉だと思いますので、そういった視点で児童福祉の向上はお願いしたいなと思います。


医療費無償化というのは、近年、自治体間の子育て世代を呼び込むための競争素材になっていました。しかし医療費が無料だからあの市に住もう!となるかといえばどうなのかなと感じます。芦屋市では特にその効果あるのかどうかは疑問です。

そしてこの制度の本来の趣旨は、「医療を受けたいけど経済的な余裕がないから受診控えをしてしまう」という家庭に向けて実施されたものです。

そういった背景を踏まえると現制度の在り方としてどうなのかと疑問は残ります。

でも行政サービスは市民がより暮らしやすくなることを願って為されるものなので、その答えが無償化ならそれはそれで良いことだと思います、現に私もサービスを享受していますが本当に助かっています

ですので、今回は無償化したことで別の課題が顕在化したよ、ということを行政には認識してもらって、今後の解決に向けて考えてもらいたいと一石を投じました。


あさうみ洋一郎 -芦屋みらい-

兵庫県芦屋市で日本維新の会の市議会議員として政治活動をしています。 ただいま31歳、7歳の娘と3歳の息子を子育てしながら活動しています!

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